いつもアイルランドのことを書いていますが、近況報告。
現在また新しいビザを申請中です!現在はアムステルダムにいます。
今度はオランダ…。オランダの移住の記事などインターネットで目にした方は多いのはないでしょうか?まあ、それはさておき、オランダビザ申請で何度も行っているDen Haagが結構綺麗で面白い場所なので今度 Den Haag についてなにか書こうと思います。(アイルランドの旅行記すら書いてないのに…、いや必ずや書きます!)
ところでわたしが気にくわない自分のあだ名に「ビザおたく」というものがあるのですが、今回はわたしの周りで最近ビザ関係の話しがよく出てきたり、トラブルがあったりが続いていたのでゆるく紹介したいと思います。ビザ情報というよりは海外への移住について考えるきっかけになればと思います。
ワーホリ後のビザサバイバル
まだベルリンにいたある日、知り合いから連絡が来ました。
「外国人局から連絡が来てかくかくしかじかが理由で2週間以内にドイツを出なさいと言われた!」とのこと。
彼女はイギリスのワーホリ後にヨーロッパにさらに滞在したくドイツでワーホリをしていました。ドイツは日本人にとってビザ延長がしやすいので、大学準備用のビザを二年間取得して滞在を延長していました。しかし労働ができるけれど労働を目的としたビザではない為、すぐにフリーランスビザに変更の申請をしたところ、フリーランスビザの申請を却下され、大学準備ビザも剥奪されることになったのです。
これはある意味自業自得なのですが、まず問題はこの大学準備ビザ。チェックが緩く、語学学校に行かずワーホリ生活の延長として使っている人が多く、これに関してはベルリンの外国人局も厳しく対応しています。彼女もそのひとりでした。大学準備ビザの剥奪はこういう利用方法だったために起こったことです。
しかし、ここで最も重要なのはヨーロッパの移民政策を理解していないということです。
ヨーロッパでは多くの国がEU外からの移民を厳しく規制しています。
何故なら移民の労働力ははEU内部から十分なほど得ており、自国の国民とEU市民の雇用を守ることが重要だからです。(他にもいろいろあるけれど)
なので、EU外からの移民に関しては基本的には専門性が高く、その国の経済に貢献する場合などに限って労働ビザが発給されるようになっています。(もちろん国ごとにポリシーは異なります)。
ワーホリ制度が唯一の簡単で自由な移住方法なのですが、これ以降ヨーロッパ圏内に同じ条件でいるのは至難の技なのです。(パートナービザだってパートナーを見つけるのは運ですしね)
ヨーロッパのフリーランスビザを除く労働ビザを取ろうとすると、大体こんなことに焦点があてられます。
1. 本当に自国やEUからの移民に適正な人がいなくてしかたなくEU外の移民を雇わなくてはいけないのか?
2. 専門性が高く、人材が国内に不足している職種なのか?
(年収がいくら以上という最低年収が決められている国も多いです。)
3. 生活保護など、移住先の福祉を利用する可能性は少ないか?
4. ヨーロッパの文化に適応できるか?(語学等)
もちろん日系企業や日本食レストランにて日本語が話せて文化もわかる日本人が従業員として働くことも専門性があるということになります。
その他では完全に個人の資質に依るでしょう。もちろんこの条件をクリアできる人もいますし、難しい場合もあります。専門や職種にもよりますから一概に難しい!ほぼ不可能!または楽勝!とは言えません。
ただ、ワーホリの延長でビザをドイツやオランダ政府が出してくれると考えるのは良くない思い込みでしょう。ヨーロッパは機会を特定の人に与えてくれるけれども、ヨーロッパに滞在するのはEU外の移民の権利ではないからです。
先ほどの彼女には弁護士を紹介したり、他の同じような経験を持つ人を紹介したりしたのですが「ドイツに嫌われているから、オランダに移住する」という名言を残し来月からオランダに移住することになりました。しかし彼女が将来的にもEUの求める人材にならない限り、オランダに移っても長く滞在できるとは限りません。
(この発言は、同じくビザが必要な他の日本人やアメリカやオーストラリアの知り合いをカンカンに怒らせていました。)
個人的な意見ですが、ヨーロッパに残ることで自由な行動が制限されるし、場合によってはレストランなどで搾取し続けられ、いつまでたってもヨーロッパ人と同等に扱われることもない環境に居続けることが正解なのかな?と思ってしまいます。ヨーロッパでの学位なんて誰もが取れるわけじゃないですし、そういったところで大きな差がついてしまうのは学歴社会のヨーロッパの不自由さだと思うのですがどうでしょう。
ビザに操られる
無事ビザが取れたとします。やっととれた尊いビザですね。
このビザが切れても長く滞在したいと考える人も少なくありません。
わたしはイギリスにいた時にそんな思考に陥ってました。
それで最初にヨーロッパに戻ってきた目的だった、イギリスのビザがあるからイギリスを拠点にしつつも他の国でも色々な機会を探してみるという意思を完全に忘れつつあり、チャレンジしたかったドイツやオランダすらもう遠くなってしまいました。
イギリスが極端な移民規制をしているのにも関わらず、イギリスから離れられず、結局イギリスのビザが切れてしまって出国しなくてはいけなくなって始めて自分がどれだけ不自由だったか理解し始めました。
こんなことも最近、似たような状況にいる友人と話しました。
昔、アメリカでPh.Dをとった日本人の方にお話を伺ったことがあります。アメリカでの勉強が終わった後もアメリカに残るべく、とにかくがむしゃらに就職活動をしていたが本当に自分の為になることよりも、ビザを優先してしまったと気付いた。とおっしゃっていました。
ビザって人生を制限するものじゃないですからね。不自由な自分に気付いた時には手放すのもありかと思います。自分のために動く、国を変える、日本に帰国するのも大事だと思います。(自戒の念をこめて書いています。)
どうでしょう、今回は比較的長く海外にいる方向けだったかもしれませんが、できればビザに操られずに自分の意思を大事にしたいですね。
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