Horrible memory of studying at a British University イギリス大学院留学

2016年10月22日土曜日

Daily life UK 英語 留学


留学時代の苦行を思い出そうの回



ところで今回は、はじめてイギリスに留学したときの苦行を思い出そうとおもいます。今となっては良い思い出です。(一部いまでもトラウマ)
(時系列の関係上⑤や⑦には本当の地獄も書いてあるので、ぜひそこまでは読んでいただきたい。)


1. 大学付属の語学学校2.5ヶ月(お恥ずかしいPre-Sessional Course)


英語力が足りなかったので大学院入学前に夏から語学コースに強制参加させられました。
これ、意外と青春みたいに楽しかったことも沢山あるんですが、これが大学院の布石でしたね。
かなりキツかった。短いエッセイを二週に一回ほど提出しなくてはいけなかったのですがネタがないわ、書き方が意味わからないわで毎回徹夜でした。徹夜して語学学校に通う…一体。
プレゼンテーションのクラスでは片言英語話して先生に白い目で見られる。
ちなみにロンドンのUCLのPre-sessionalに通っていた知人は泣きながら参加していたとのこと。
でもこれぐらいのスパルタで英語漬けになるのもいいですよね。なので大学付属の語学コースは結構おすすめです。
うちの学校はラッキーだったのでデザイン・アート系の学生だけSummer Workshopが併設されていました。なので後半は工房に夜10時ぐらいまでこもるというなかなか楽しい日々でしたよ。

2. まだまだ英語


日本人によくあることですがスピーキングが追いつかん。

語学学校の後は大学寮を出てシェアフラットに移りました。イギリスと日本人の夫婦の家に学生2名という下宿みたいな形でした。イギリス人の旦那さんと一生懸命話そうとするのですが、旦那さんがアーティスト気質で英語勉強中の人間に容赦がない。

ある日のこと、その日あったことを伝えようと話しかけたんですが、

私「○○先生が「○○○がどうのこうの~」って言ってたんですよ」
イギリス人「そんなことは絶対に言っていない」
私「へっ?(なぜその場にいなかったのにここまで断言するのだ?)」

そんな英語はないという意味でした。
これは今もトラウマですよ。


3. ずーっと英語が問題なのだ!


晴れて語学学校の最終試験をパスし、大学院に進学しました。
しかし、初日からおかしい…。
私は論文を書くことがメインのMSc. Material Mattersという謎のコースに申し込んでたんです。
コースの人数3人…。そして初日の顔合わせで教授が聞いてきたことにまともに答えられない。
他の2人と教授は幼稚園生がなに話すのかな~?みたいな感じで私が話すことをじーっと待っている
…。これで論文書くんでしょ…。これはちょっと…、難しいかな…、…、いや!絶対ムリ!!!
ということで建築の学科長に頼み込んでMaterial Mattersのコースの教授がチューターをするデザインスタジオに入れてもらうことになりまして、MArch. Architectural Designというコースに変更してもらいました泣。その後もMaterial Mattersのコース関係の授業は全部とりましたが…汗。


4. チーム作業


これだよ、これ。
幸いにも私のスタジオ(イギリスではUnitというのですが)のチューターはよくある親しい人とチーム組んでください方式ではなく名前順でチームをくんでくれたのでイギリス人2人とギリシャ人と私になったのですが、ええ、全然チームの一員じゃなかったですよ。
ここでわかったのは、イギリス人たちはあくまで自分の勉強のために大学院に来ているのであり国際交流だか語学学習で来ている訳ではないので勉強に邪魔なものは愛想良く笑いつつ徹底的に距離を避けるということです。
私があまりにも話せなかったので私が英語でメモをとっているときに
「英語書けるんだね~、うまいね~」
と言われました。
(英語力ゼロで大学院来れるか!)
これもいまでもトラウマです。

ちなみに、もう一回あったチーム作業は「好きな人と組んで」方式だったので余ったアジア人留学生3人組になりました。これはどこでもそうなるみたいですね。(他の留学経験者から話を聞いた統計)
皮肉ですけど、こっちのほうがやりたいこと結構できたな…。


5. 本当の地獄(モチロン英語!!!)


地獄といえばUnitでのプレゼンテーション(試験的な内容もあるのでCritと呼ばれている)である。
私たちのUnitは計25人程度いるマンモスだったので一日に終えるため、部屋の二つの壁を使い、先生と外部の審査員?が二手にわかれ二つの壁で一回の時間に生徒2人で同時進行でプレゼンテーションをすることになっていた。ちなみに残りの生徒はどちらの壁のプレゼンを見に行ってもいいが部屋を離れてはいけない

私の番が来ました!観衆は…!!

私と先生2人。

私の番が来たら生徒全員もう一方の壁で行われているもうひとりのプレゼン見に移動してしまいました…。
観客ゼロで行われるプレゼン。明らかに語学の障害がなければわたくし面白いもの作っている自負はあったんですけれど。おほほほほ…涙。

これを地獄と言わず何を地獄と呼ぶか。

再度ですが、イギリス人たちはあくまで自分の勉強のために大学院に来ているのであり、国際交流だか語学学習で来ている訳ではないので勉強に邪魔なものは徹底的に距離を避けるということです。

6. コースワーク


実は熾烈なチームワークも頻繁なプレゼンも建築学校では最初のころにしかなく、後々は個人の制作に比重が移ってくるので最後はのんびり…と思いきや…

コースワーク半端じゃないぞ。

最終のデザインの提出は6月だかにあるのですが、それに備えて1月ごろより空気が変わってきます。いままで大学近くのイーストロンドンのパブに行っては飲んでいた日々…、懐かしいよ。
このころよりパブなんかに行って遊んだり、遊びの誘いしている人に対して他の人から厳しい視線がふりかかるようになります。
みな大量にものを作り始めます。なんだかわからないけれど大量に作っています。
ある留学生友達も同じ建築に彼氏がいるのだが年があけたら試験までは会わないようにしているという極端な話をしはじめています。

私はこの空気の変化をすぐさま察知し、どうなっているんだ!と先輩に聞きに行ってしまいました。

「…うう、まずいぞ…」
理由を知った私。次章に続く



7. 最終試験


これは日本と似ているところもあれば似ていない部分もあるんですが、
建築設計をして指定された図面と模型を提出、その他制作物提出して口頭試問です。
ちなみに日本では口頭試問ではなく公開プレゼンテーションでした。他はあまり変わらず。

結果…

全体の4割ほどが落第してました
もう一度言います、全体の4割ほどが落第です。
日本人留学生の中でいうと5割が落第です。もう一度言います、2人に1人が来年もバカ高い授業料と生活費払ってこの苦行をやり直せと言われています。

一方、私…ラッキー!!!合格!!!!!!!!

Thank you, Danke schön, ありがとう、Dank je!!

実は高い落第率は有名でさらに審査ではどこで落第するかわからない謎の芸術的要素が入っているため、みな一月から外堀から固めて念には念を入れて質はもちろん「量」でも勝負してとにかく加点を狙っていたのです。
私は落第が怖くて怖くてしょうがなかったので毎日、朝から晩まで(いや、昼から深夜まで)、晴天でピクニック日和の日もずっと家にこもってドローイングを書きまくり、へんな立体物をつくりまくりました。最後は手の震えが止まらずまっすぐな線を引くことができなくなったり、それを止める為にビールを飲んだり(これを俗に言うアル中という)していました。

ちなみこれは一般的ではないとは思うのですがイギリスのアート、デザイン教育ではよく聞く話
「先生は最初の数ヶ月でお気に入りを決めて、他の生徒をおざなりにする」

私の先輩で技術力も表現力も確かで、提出物のクオリティも高かった方が落第したのですが、先生に理由を尋ねた時の話
先輩「先生はこの作品は良いと言ってくれましたがどうして落第したのでしょうか?」
先生「良いとは言ったがこれでやれとは言っていない」

この後すぐ、この先輩は失望して日本に帰国してしまいました。
私はその先輩の作品が好きだったので自分のことのようにがっかりしました。

7’.  (試験後の逆襲、本当の敵は誰だ!?)



晴れて日本人の留学生の1/2に入りまして、ワタクシは余計な出費をせず、リーマンショックの吹き荒れる中、イギリス人も就職先が見つからない中、卒業しました。
しかし一番怖いのは日本人コミュニティである。
私はこのように一見ちゃらんぽらんで常に何が起こっているのかわからないまま行き当たりばったりで大学のコースワークをやっていたのですが、こんなやつがどう考えても合格する訳がないと考える落第した日本人留学生から猛攻撃をうけてしまいました。うはは…

この後一度日本に帰り就職し、またイギリスに戻ってきても止まりませんでした…。
ということで私も日本人の建築コミュニティには戻りませんでしたtoo!

海外は意外と日本人同士の足の引っ張り合いが多いのでご注意を…。



最後に…私にとってイギリス大学院留学とは

日本にいたときに自分の所属する研究室に失望し、他の大学の大学院でもなかなか良い研究室が見つからず、唯一ひとつ見つけたはいいものの院試に失敗、ちょっとムリを言ってイギリスの大学院にいかせてもらいました。
今思えば、辛いことを差し引いても日本の大学院二年分以上は一年半ほどのプログラムで経験できたかなと思います。もちろん私のやりたかった分野での話でこれが一般的にあてはまるとは思いません。短期でしたがあのプレッシャーで手描きのA1のドローイングを70枚くらい書いたんですよ。
他にも小さいスケッチとか変な立体物とか色々色々…。建築教育の中で手をこんなに動かすことも今までなかったしあの短い期間は相当意味があったと思います。

そしてイギリス人をはじめ、他の国の学生たちの中で自分の作品をつくっていると客観性が生まれます。英語がダメでもドローイングで褒めてくれたり、落第もせず卒業できたり?自信がつきました。
わたしの大学院の作品いまでもポートフォリオに載せてるんですけれど、あれ載せるとかなり就活でも反応いいんですよ。そこでもなかなか自信がついたわりにぐだぐだしている今日このごろ!


みんな留学だ、留学!


(You can see some of my works from Uni and post-Uni on my Tumblr. If you are interested, please check it! It's called "Found Landscape project".  http://foundlandscape.tumblr.com/)


Search this blog

hello

 

ヨーロッパをうろうろしてしてる人

Blog Archive

QooQ