海外に住んでるから偉いの?

2018年9月22日土曜日

海外生活



「海外に住んでるから偉いとは思わないんですよねえ」
これは先日こちらに日本から旅行で遊びにきた友人がふと発した一言である。

衝撃だった。
わたしは海外に住んでいるから偉いのか、という発想をしたことがなかったからだ。
「海外に住んいるから偉いなんて考えたこともない」とだけ言ったのだが
そう言われてみるとそういう風に思う人もいるかもしれない。
個人的な体験を言うとわたしは最初のブラック設計事務所を早く辞めてしまっていて、日本社会に居たら確実に高学歴ワーキングプアの一部になるのは目に見えてたし、その道からのし上がって行く未来も正直見えなかった。実際に中途採用の応募もしまくったけど書類が棒にも端にもひっかからなかったし、結局その後は人の紹介で面白いことができる設計事務所にフリーランスとして働くことはできたのだが、それだって夫婦のやっている小さな設計事務所で正規採用になるルートは無かったので、結局留学していたヨーロッパに逃げて戻って来たという負い目がある。(日本の何が学歴社会だ!って内心怒ってたけどね笑)

在留邦人の数は、1 35万1,970人 (2017年時点)だそうです。

ということは海外に住んでいる人のバックグラウンドも135万通りはある感じしますね。

私もここまで来て無知を装うわけにはいかないので英語圏留学・ワーホリあるあるなんかを考えると、みんな留学中はブログなんか書いちゃったりして、SNSの投稿も英語になっちゃったりして、インターナショナルなクラスメイトたちとの写真を投稿しちゃったり…。
まあ意図を考えれば確かに自慢げな感じではある。なんか素敵な西洋風の建物の中に映り込んで、そんな中で生活しているのか。想像もできない!なんて見てる側は思ったり。
中には海外生活を自慢する駐在員妻たちもいますし、まあ言ってることもわからなくもない。
(あ、ちなみに以前も書きましたが、わたしは大学時代アンチ語学留学、国際交流だったんで英語も勉強せず、個人的にはそういう写真やストーリーに興味ゼロだった。言われなくてもわかっていると思うが、理系の皆さん、絶対にまねはしないでください。うだうだ言わず英語勉強しましょう。

ただ私の知る限りではそういう立場にある人は全体の一部のようだし、では他にどういう人がいるのかと聞かれてもわからないと言うほか無い。
ただ、極論ではあるがそれが重要で、海外で暮らしている理由も何をしているかも人それぞれ、わたしが、そして一個人がすべてを想像できる状態には無いのだと思う。
全員が先進国に住んでいる訳ではないし、ヨーロッパだけを見ても結構経済的に不安定な場所に住む日本人はいる。先日ポーランドに行ったときにポーランド語ガイドツアーに参加していた現地在住の日本人がいた。こんなところも日本人がいるのねえ。なんて思った。
その反対にイギリスでは外交官の娘という人も知り合いにいた。こういう人は色々普通の滞在者とは違う扱いの滞在ができるのだそうだ。

何が言いたいのかというと
海外在住者がこういう人だという固定のイメージも生活習慣も何もかも存在しないし、もし特定のイメージが浮かんでいればばそれは想像上のものでしかない。
これは日本在住者だけでなく、海外在住者のなかでも誤解している点だと思う。

外交官の娘を例に出すと、みんなが喉から手が出るほど欲しいイギリスのビザは自分の意思である程度コントロールできる状態である。それをズルいなんて思う人なんてそんなにいないのでは?または日本国籍だけどほとんどイギリス育ち、イギリスの大学まで行ってイギリス人とおなじように生活している人はやはりズルいのか?(ただその地で普通に生活しているだけでは…?)
でも、一部の人は日本から来た人たちを自分とバックグラウンドが近い立場に居る人だと思い込んだりすることがあって、自分と想像上の仮想敵に対して厳しくあたったり、ズルいと言ってみたり。

私個人的には海外の大学院に行ってちょっと張り切ってここでがんばらないと!なんて思っていたけど、長く住めば長く住むほど非日常で特別だったことが日常生活になっていって、それなのに母国と同じぐらい自由に行動することもできなくて不自由で。語学でカバーできることも多くなったから絶望ではないし、それを乗り越えてこちらでしかできないことをやるか、もう少し負担を軽くしたほうがやはり良さそうなら日本に帰るか、というかんじである。
わたしの周りの海外移住者友人もドタバタ波瀾万丈の日々である。海外に行ったから突然スターになれたような人なんてほとんどいない。みんなけっこう地道である。

ブラック企業の件はさておき、日本に対して悲観してるのだの、なんだのというものはほとんどない。国と国の比較の難しいところは個人の意見は主観的にしかならないところだ。もしある国がある点で問題があったとしてもそれはその国の国民の意見を代表しているとも限らないし、一部で問題なのか全体で問題なのか、本当に問題が放置されているのか…なんて考えると意外と問題に対して活動している国民がいたりするものである。(ときどき欧米が進んでいるなんていう情報を発信しているひとはいるけどね…。どうだろうか。)

そうやってささっと雑記のように書いて考えたけれど、海外に住んでいて偉いなんていう評価基準はやはりないと思うし、むしろそんな他人のことより自分のことを考えてみたり、教養としての国際性を高めて行くのが重要かと個人的には思います。

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