意外と周りにもドイツで入院を経験した人は少なかったので記録に残したいと思います。
事の発端
わたしはちょうどベルリンへ遊びに来ていて、テンペルホフでとあるスポーツの練習を一人で行っていました。ちょうどアムステルダムの大家との関係が激化してちょっと息抜きをしていました。
そこでゴローッンっと盛大にこけて手をついてしまいました。
そのときに一瞬手首からゴキっと聞こえたような聞こえなかったような…。
ただ骨折の痛さは尋常じゃない、とても腫れるときいていたけどそこまででもない…。
と思いながらとりあえず近くの読書しているお姉さんに
「すみません、怪我してしまってよろしければ電話でタクシー呼んでいただけないでしょうか?」とお願いしてタクシーで最寄りの病院まで行ってもらうことにしました。
緊急外来にて
とりあえず緊急外来まで行き、事情を説明し、受付をしました。手首を負傷したので他は健康でてくてく動けて良かった。
保険はいまはオランダの保険ですので、それを説明しつつ、保険証が手元になかったのでとりあえず緊急外来受付で50ユーロを支払うように言われました。
「こちらはオランダの保険会社に言えば返ってきます」と説明され(いや、実はオランダには最低額自己負担金制度?があるから現実的には戻らないんだけど…)
待つ事数時間!やっと医者に数秒観てもらってレントゲンを撮るよう命じられ、
レントゲン室でまたもや受付、待つ事数十分やっとレントゲンをとれることに!
レントゲン撮影後また待ち、やっと先生が来て
「骨折してますね、多分手術が必要なんだけど、オランダでもできるし、帰ってから手術する?それともこちらでやっていきますか?」
と診断されました。ギョギョギョー、やっぱり。
オランダよりもドイツの医療のほうが優れていそうな気がしたのでその場で
「ドイツでお願いします!」と自己主張をしました。
「ちょっと複雑なんでCTも必要だな〜、CTも撮って来てください」
と言われまたもやレントゲン室で待ち。この一連の会話も1分ほど。この時点でなんの詳しい説明なし。
その後やっと先生と看護婦さんが現れ、緊急処置をしてくれることに!いや、こんなに病院に長々いましたがこの時まで治療がありませんでした。指をつるす道具で手首を引っ張る治療をし、その後例の石膏のギプスを填められました。
そして「ではとりあえず保険証を持参して明日8時(地獄)に来てください。」と言われ解放されました。この時点でやはりあまり痛みは強くなく、普段飲んでるイブプロフェンぐらいで大丈夫だった。
次の日、またもや緊急外来にて
受付で保険証を見せる。オランダで払っている公的保険のほかに毎月旅行保険も支払っているので前日に手を骨折しつつも一人で準備した書類をどっさり提出。
どうやら緊急事態の場合はオランダの保険はEU内で使えるらしく、ドイツでも利用できることに。しかもドイツの保険制度は自己負担ゼロだから(一部の医療行為は例外あり)、
自己負担ゼロで骨折の治療ができるということになりました。
(ドイツに治療目的で入国したわけではないという署名をさせられました。そりゃあそうだよね。)
その日はとりあえず伝えてくれなかったけれど、医師が治療方針を固めたらしく、手術、入院の手続きをするように言われました。入院は二、三日程度の予定。
その後麻酔科の先生と話し、怖いから全身麻酔が良いと伝え、手術日程を決める看護婦さんと話し、入院の手続きと入院の手引きを渡され「この荷物(パジャマやタオル、下着等)を持って、朝食は食べずに二日後7時に来てください」(鬼)と言われて解放されました。
注:ここまで全部英語
注2:ここまで一日のぞきずっと一人で対処
とりあえずその後は家に帰ってぼーっとして荷物準備をしてダラダラ入院を待ちました。
ちょっと好印象だったのは病院スタッフはけっこう移民系の人が多い。技術スタッフとかもドイツ語ネイティブじゃなかったり、麻酔科の医師も中東系のできる女性医師でした。
ドイツ語でここまで働けるなんてすごい!と感動しました。実は入院後の担当していただいた外科医の方もドイツ人じゃなかったのよね。本当に良い感じの多様性がありました。
ああドイツの病院も大きな病院になると英語も通じるし、今後もいい見通しだわ…
なんて思っていたのが懐かしいわ。
地獄の手術日
一応入院の手続きではその日二番目の手術の予定。お昼前ごろ。
早朝に眠い中病院に行くともちろんベッドなどなく、椅子で待つ事数時間、やっとベッドで待つ事ができましたが辛い事実を知らされる。「ちょと手術室がたてこんでいるので手術が13時に延期になりました。」
はあ、なんのためにこんなに朝早く来たのだろうか。
そして待つ事数時間、15時頃、「はーいお待たせ!やっと手術室にいけまーす」みたいな感じで手術室前の待ち合い室まで運ばれる。
しかしここで気づいてしまった。骨折の手術なんて全然緊急性がないんだ…。緊急で手術が必要な人は世の中にごまんといるということを。
ということでここから薄寒い手術着を来たまま三時間まち。泣ける。
しかもこのあたりから全部ドイツ語で会話になってきた。とりあえずうん、うん言ってるけど、伝わってるかしら。実は話している事はだいたい予測がつくんだけど、こちらのスピーキングが下手すぎて会話が酷く一方通行。
(看護婦さんが「この人、ドイツ語しゃべれないみたいなんだけど、理解はしてるみたいなんだよねえ〜。」って話しているのも丸聞こえでしたよ!)
結局夕方最終便ぐらいで手術をしてもらえ、きづいたら手術が終わって病棟に移っていました。全身麻酔で良かった…。
そしてそのまま寝たのであった。
手術の次の日
やはり手術の後の方が傷口は痛かったのだが、ドイツ人用容量の点滴をうたれて気持ち悪くなる意外はだいたい寝てるか食べてるか。なお、看護婦さんに調子を聞かれるがドイツ語なので適当に返すほか無い。めちゃくちゃなドイツ語。
驚いたのは朝食。
確かに前日手術を待っている間にお姉さんがきて「ご飯の希望をとりまーす!」と言って何がいいですか?と希望を聞いて来たのでお茶と、チーズと…とわかるドイツ語に反応して希望を言ったのではあるが、実際来たのはパンとチーズ一切れ。お皿にチーズ一切れ。いじめかい。(他の人はハムとか色々)、そしてローズヒップティー。朝からピンクの茶なんか飲めるか!
尚、これは修正する能力不足で毎食ローズヒップティーを飲んでいました。
お隣の人も手術をわたしと同じ日にしていたようで酷く痛がっていた。
このかたも中欧系移民で「しゅめるつぇん!めでぃかめんて!」といたそうにいつも叫んでいた。ちなみに彼女は若干肥満であり、いびきもかくし、自分で起き上がったりもできない。太ると色々と障害がでてくるものだということを学んだ。
面会時間
面会時間ピークみたいなときがあってみんな家族が来て話したりニコニコしていたわけだが、実はこの入院をけっこう秘密にしていたので、一組だけわたしの手術待ち中に来てくれて合えなかった友人意外はとくに面会に来てくれた人はおらず、この子は一体…という雰囲気が病室に流れていた。ちなみにこの病室はあまり長く入院予定の人は居ない感じだったのでみんな意外と元気。そういうときはふて寝である。
こうしてドイツ人容量の点滴をうたれて気持ち悪くなり、むしろそちらのほうが本業の手首の骨折より気になってきた…という感じで一日が終わる。
尚、一日一回だけ外科医が見回りに来てどうですか?と話しに来てくれる。
しかしそれでも早い。さらにやはり詳細をおしえてくれない。
一日目は「手術は順調に終わりました。40分でした。こうこうこんな感じでプレートを入れました。このあとはリハビリをやっていくことになると思います。リハビリの担当者が来ます」とだけ言って去って行った。
尚、この病院でリハビリをしたのはただの一回だけだった。なぜなら… 二日目に続く
入院二日目
またもや皿に一枚のチーズとローズヒップティーから一日がはじまる。
そして点滴で気持ち悪い。特に昨日より気持ち悪かったので看護婦さんに言おうと思ったら(いざというときは英語を勝手に使うようになった。英語がわかる看護婦さんもいる。)、また担当外科医がやってきた。
そして「どうですか〜?うん、順調そうですね。帰って結構。」
「え?なんですと?」
「準備できていないなら明日でもいいですよ。」と言っていたので
「いえ、いまから帰りマスッ!」
と言って帰る事になった。さすがにこの日は点滴のおかげで気持ち悪かったので友人に来てもらって一緒に帰る事になった。
病室にいた他の人たちからはいいなあ〜、この人最初から最後まで謎だったな〜という目線が送られてきた。
こうして突然にしてドイツの入院生活はやってきてドイツの入院生活は終わったのである。実際のところ、わたしのような軽症患者に長居させるベッドはないということではるのだが。
この後は小さな整形外科クリニックに移って抜糸などの治療してくださいとのことで、医師の紹介状をとり、それを持って小さなクリニックに予約を入れて治療開始。
少しドイツに残って抜糸、ギプスを外して、更にサポーターのようなものに変更した時点で帰りました。
尚、国をまたいで治療していた上に夏に一時帰国をしていてあまりリハビリをしていなかったらいまそのつけが来ています。これから更なるリハビリ漬けの毎日になる予定です。
余談:日本に一時帰国中もまだ要治療時期だったので地元の評判が高い整形外科クリニックにいったところ、さすがドイツの外科!完璧な手術です!自分も病院の整形外科で勤務してきたけれどこの水準はなかなか観たことがない。と驚かれました。ドイツの先生本当にありがとうございました。
結論:ヨーロッパでは言語があれでも保険さえあれば入院、手術はなんとかなる。
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